厄年に家を建てることに迷いがあると、何を基準に決めたらいいのか分からなくなってしまいますよね。
でもじつは、厄年そのものよりも「不安の扱い方」や「家族の納得感」のほうが、家づくりの満足度を大きく左右します。
この記事では、厄年で家を建てるか迷うあなたが冷静に判断できるよう、厄年の考え方、日取りの決め方、厄除けの取り入れ方、そして現実的な資金計画まで順番に整理していきます。
不安を理由にチャンスを逃すのではなく、必要な情報を知ったうえで自分たちにとって最適な選択ができるよう、一緒に整理していきましょう。
読み終えた頃には「どう進めれば納得できるか」が明確になり、今すぐ行動に移せるはずです。
厄年に家を建てるかどうかに正解はひとつではありません。
でも、自分と家族にとって納得できる答えは必ずあります。一緒に整理していきましょう。
【この記事で分かること】
- 厄年に家を建てることの考え方と基本知識
- 年回りや三隣亡・六曜など日取りの捉え方
- 厄除けや厄払い、家相や風水との付き合い方
- 厄年でも後悔しない家づくりと資金計画のポイント
厄年に家を建てる人の基本知識
厄年に家を建てるときに押さえておきたい基礎的な考え方をまとめます。
厄年とはそもそも何なのか、なぜ「厄年に家を建てるのはよくない」と言われるのか、逆に「厄年の新築は厄落としになる」という考え方まで、歴史的な背景と現代の実際の声を踏まえて整理していきます。
厄年に家を建てるのは大丈夫?

まず一番気になるのが「厄年に家を建てるのはそもそも大丈夫なの?」というところですよね。結論から言うと、厄年だからといって、必ず家づくりで悪いことが起きる、という根拠はありません。
厄年自体が、昔から「体調の変化が出やすい年齢」「人生の節目になりやすい年齢」として意識されてきたに過ぎないからです。
一方で「厄年に家を建てると良くない」「厄年に家を買うとトラブルが起きやすい」といった言い伝えも、地域や家族の中で強く残っています。
こうした言い伝えは、科学的なものというより、大きな決断をするときは注意深く慎重にね、という生活の知恵が形を変えたものだと感じています。
さらに歴史を辿ると、江戸時代には「新築や増築は厄落としになる」と考えられていた記録もあります。つまり、同じ厄年でも「避けるべき」とする考え方と、「前向きな節目」として捉える考え方が両方あるということです。
ポイント
だからこそ「厄年だから家を建ててはいけない」と短絡的に判断するのではなく、自分と家族の状況・タイミング・気持ちを総合して判断することが大切です。
厄年に家を建てる不安と心理

厄年に家を建てるとき、一番しんどいのは「何かあったら厄年のせいにしてしまいそう」という心理的な重さです。
家づくりは金額も大きく、トラブルや想定外もゼロにはできません。
工事の遅れやちょっとした不具合があったときに「やっぱり厄年に建てたからだ」と思ってしまうと、心のダメージが大きくなってしまいます。
さらに、義両親や親戚から「厄年に新築なんてやめなさい」「厄年に家を建てるなんて縁起でもない」と言われると、あなた自身は気にしていなくても、どこかモヤモヤした気持ちが残りやすいですよね。
多くの人にとって、厄年そのものよりも「周りの目」や「もしものときに後悔しそう」という気持ちが一番の不安材料になっています。
この心理的な不安をゼロにすることはできませんが、事前に厄除けや厄払いを受けたり、日取りを工夫したり、家族とよく話し合っておくことで「納得感」を高めることはできます。納得感があるかどうかが、結果的に家づくりの満足度を左右しやすいと感じています。
厄年と住宅購入や家を買う話
厄年と住宅購入の話になると「買ってはいけない年」「買ってもいい年」という話になりがちですが、現実的にはそこまできれいに線引きできません。
住宅ローンの金利、物件との出会い、子どもの年齢や転園・転校のタイミングなど、家を買うタイミングには厄年以外の重要な要素がたくさんあるからです。
例えば、賃貸更新のタイミングや、親の介護の可能性、勤務先の状況など「今逃すといつになるか分からない」というタイミングは確かにあります。
そのときに「厄年だからやめておこう」と先送りした結果、金利や物価の上昇で総支払額が大きくなってしまうケースも考えられます。
注意してほしいのは、「厄年だから無理に買う」も「厄年だから絶対に買わない」も、どちらも極端になりすぎると後悔しやすいという点です。住宅購入はライフプラン全体に大きく影響するため、厄年かどうかだけで決めるのではなく、資金計画や今後の働き方、家族の希望も含めて総合的に考えるようにしてください。
そのうえでどうしても不安が残るときは「契約は厄年だけど引き渡しは厄明けにする」「住宅購入は厄年、引っ越しは翌年にする」といった調整も一つの方法です。
年回りと厄年に家を建てる関係

厄年とセットでよく出てくるのが「年回り」という考え方です。
年回りは「年齢や生まれ年によって、その年の運勢に吉凶がある」とする昔からの考え方で、厄年、天中殺、星まわり、方位などの要素がミックスされていることが多いです。
家づくりで年回りを気にする場合、
といった点を重ねて見ることがあります。
ただし、ここで気をつけてほしいのは、年回りの占いは流派や本によって解釈が大きく異なるということです。
同じ人なのに、占い師によって「今年は大吉」と言われたり「今年は大凶」と言われたりするのはよくある話です。
年回りを上手に活かすコツは「家族みんなが少し心が軽くなる使い方をすること」です。
例えば、どうせなら地鎮祭を大安や一粒万倍日に合わせる、引っ越し日を家族が気持ちよく迎えられる吉日にする、といったプラスに働く範囲で取り入れると、あとから振り返ったときの満足感にもつながりやすいです。
逆に「年回り的にはずっとダメなので当分建てられない」という状態になってしまうと、本末転倒です。
家づくりは現実の生活のためのものなので、年回りはあくまで参考として、最終的には現実的な条件と心の納得感のバランスで決めるのがおすすめです。
妻が厄年で家を建てる場合

最近よく聞かれるのが「妻が厄年のときに家を建てるのはどうですか?」というケースです。
とくに、妻が大厄と言われる年齢(33歳あたり)のときは、妊娠・出産・育児・仕事の変化が重なりやすいタイミングでもあり、身体的にも精神的にも負担がかかりやすいです。
この場合、ポイントになるのは「縁起」よりもむしろ、妻の負荷をどれだけ減らせるかです。
例えば、
といった形で、家づくりに振り回されて体調を崩さないようにすることがとても大切です。
妻が厄年のときのチェックポイント
どうしても家族や親族が厄年を気にする場合は、厄除けや厄払いを受けたり、吉日を選んで契約や地鎮祭を行うことで、みんなの気持ちを少し軽くしてから進めるという選択もあります。
厄年に家を建てる具体的な進め方
ここからは、厄年に家を建てると決めたときに、具体的にどう進めれば安心して家づくりができるのかをお話しします。
厄除け・厄払い、地鎮祭や三隣亡や六曜との付き合い方、天中殺や家相・風水をどこまで取り入れるか、そして資金計画の考え方まで「実務ベース」で整理していきます。
厄除けや厄払いで家を建てる

厄年に家を建てるとき、もっとも取り入れやすいのが神社やお寺での厄除け・厄払いです。
厄除けは主に寺院で、厄払いは神社で行われることが多く、どちらも「身についた厄を祓い清める」という目的は共通しています。
実務的な感覚でいうと、厄除け・厄払いを受けることの一番のメリットは、本人や家族の気持ちが軽くなることです。
「きちんとお祓いも済ませたから、あとは前向きに家づくりを楽しもう」と思えるだけで、その後の判断もぶれにくくなります。
タイミングとしては、
など、区切りの良いタイミングで受けるご家庭が多いです。遠出が難しければ、近所の氏神さまの神社にお願いしても十分です。
注意してほしいのは、厄除けや厄払いを「やったから絶対に何も起きない」という保証にしないことです。お祓いはあくまで心の支えであり、工事の安全管理や資金計画などの現実的な部分は、別途しっかり準備する必要があります。
お守りやお札は、地鎮祭のときに一緒に持って行ったり、新居の神棚や玄関に丁寧に祀ると、家族にとっても良い「心の拠り所」になります。
地鎮祭と三隣亡六曜の選び方

地鎮祭や上棟式の日取りを決めるとき、多くの方が気にされるのが六曜(大安・仏滅・友引など)と三隣亡です。
六曜はカレンダーにもよく載っているので馴染みがあると思いますが、建築の現場では三隣亡の方をより気にする会社もあります。
三隣亡の日に建築すると「三軒隣まで滅ぶ」といわれてきたため、今でも上棟や地鎮祭を避ける会社が多いのは事実です。
一方で「仏滅でも気にしない」「六曜よりも工程上の都合を優先する」というスタンスの会社もあります。
日取りの決め方のおすすめステップ
個人的には、三隣亡だけは避けつつ、六曜は「できれば大安・友引くらいの感覚」で柔らかく捉えるのがちょうどいいと感じています。
スケジュールの制約が強すぎると、かえって家づくりそのものがストレスになってしまうからです。
天中殺や家相風水と家を建てる

天中殺(空亡)や九星気学、家相や風水をどこまで取り入れるかも、厄年に家を建てるときの悩みどころです。
これらは完全にスルーしても家は建ちますし、取り入れようと思えばどこまでも細かくなっていく世界です。
おすすめは、
というバランスです。
例えば「トイレはこの方位がダメ」「玄関はこの向きが良い」など家相のルールはいろいろありますが、日当たり・風通し・家事動線・収納計画など、暮らしやすさに直結する要素を犠牲にしすぎないことが大切です。
どうしても気になる場合は「凶方位に当たる場所は明るく風通しを良くする」「観葉植物やお気に入りのインテリアで気持ちよく過ごせる空間にする」といった運勢よりも暮らしの質を上げる工夫に変換してあげると、前向きに取り入れやすくなります。
また、天中殺の年に「契約だけを避けて、実際の引き渡しは天中殺明けにする」といったアレンジをする方もいます。
ここでも大事なのは、家族が納得して前に進める形に落とし込めるかどうかです。
厄年に家を建てる資金計画

厄年かどうかに関わらず、家づくりで一番現実的でシビアなのが資金計画です。
むしろ、資金的に無理をしてしまうことこそが、後から振り返ったときの「本当の厄」になりやすいと感じています。
資金計画をするときの基本は、
をきちんと見える化することです。
資金計画で特に意識してほしい点
もし建て替えや解体からの新築を考えているなら、家を壊して家を建てる前に必ず知りたい解体費用と注意ポイントのように、解体費用や補助金、仮住まいの費用も含めた全体の予算を把握しておくと安心です。
ここで触れている金額や考え方は、あくまで一般的な目安です。
具体的な住宅ローンの条件や税制、補助金制度などは時期や地域によって変わります。
正確な情報は金融機関や自治体、公式サイトなどで必ず確認し、最終的な判断はファイナンシャルプランナーや住宅ローンの専門家にご相談ください。
厄年に家を建てる決断のまとめ

最後に、厄年で家を建てるかどうかを決めるときの考え方を整理しておきます。
ここまで見てきたように、厄年だから家を建てるのがダメ、という明確な根拠はありません。
一方で、厄年に家を建てることを「厄落とし」「新しいスタート」と前向きに捉える考え方も、今も息づいています。
大事なのは、
という3つの視点です。
厄年で家を建てる決断のチェックリスト
厄年で家を建てるかどうかは、最後はあなたと家族の価値観の問題です。
この記事が、迷信に振り回されるのではなく「不安も受け止めながら、自分たちらしい答えを選ぶ」ためのヒントになればうれしいです。
なお、ここでお伝えしている内容は、あくまで一般的な考え方と私自身の経験に基づくものです。具体的な契約やローン、税金、法的な手続きについては、必ず最新情報を公式サイトなどで確認し、最終的な判断は建築士・工務店・金融機関・専門家にご相談ください。
